合間縫う腑に落ちない音楽

肩透かしのカタストロフィは続く

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「顔芸」を使わないブーレーズ

ユリイカの「追悼特集ブーレーズ」の原稿依頼が一向に来ないので、彼の指揮ぶりの違いについて一本書いておく。 YouTubeの動画を見れば分かることだが、オーケストラの指揮者の多くは「顔芸」で仕事をしている。歓喜に満ちた顔、楽しそうな顔、悲しそうな顔…

ブーレーズと「夜明け」

終電で寝過ごして、終着駅で駅員に起こされて割増タクシーで帰ってきても、やはり当面はブーレーズについて1日1本は書いておかなければならない。 夜道をとぼとぼ帰りながら記憶をたどれば、闇夜に差す光の表現が秀逸だったことが思い起こされる。 もっとも…

ブーレーズと2つの「浄められた夜」

作曲家で指揮者のピエール・ブーレーズが90歳で死んだ。何が書けるというわけでもないのだが、何となく色々楽しませてもらったお礼も込めて、それを知った日のうちに何か書き残しておきたい。 彼のいろんな経歴や、自分のブーレーズ遍歴を書いても切りがない…